光デバイス/太陽電池

6.年間平均日射量

 前項で説明したように地表の日射量は地軸に傾きがあるため季節によって変動します。この変動は地球の公転周期つまり1年の周期で繰り返しています。

 このほか日射量は緯度に依存します。緯度によって太陽が出ている時間が変わりますし、地表に入射する太陽光線の角度も異なるからです。さらに地域の天候によっても変わります。1年のうち、晴天である時間はその地域によってかなりの違いがあるようです。

 以上のような変動は大体1年周期で繰り返すと考えられますから、年間平均値をとれば、それがその地域の特徴を表していると言えます。つまり年間平均日射量に応じて太陽電池で発電できるエネルギーの量が地域ごとに見積もれることになります。

 このようなデータは各地で測定されています。世界的には「太陽定数」のところで紹介したWRCがデータを収集していますが、日本国内のデータは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公開しています。同機構のホームページの「NEDOライブラリ」 の「資料」データベース/ツールをクリックすると、日射量データベース閲覧システムというページがあり、ここに全国日射量マップのデータがあり、ダウンロードすることができます。

 図6-1は日本各地の年平均全天日射量の平年値を示しています(全天日射量については後で説明します)。平年値とは1961年から1990年の30年間の平均値という意味です。測定地点は図中に示されている全国の有人の気象観測所と無人のアメダス801地点です。

 このデータを眺めているといろいろなことが分かります。日射量は南へ行くほど高い傾向があるのは常識的にわかりますが、本州でもっとも高いのが長野県中央部であるのは意外です。この諏訪盆地は降雨量が少なく、年間を通じて晴れの日が多いのがその理由と思われます。瀬戸内地方も雨が少ない地域として知られています。

 この他、北海道南東部の太平洋沿岸にも日射量の高い地域があり、これも意外です。一方、北陸から東北地方の日本海側にかけての内陸部は日射量の少ない地域になっています。これは冬季の天候が悪いことによっていると考えられます。

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