科学・基礎/半導体デバイス物理
22.まとめ

 このセクションは「半導体デバイスの物理」と題していますが、実際には異種の半導体あるいは半導体と金属、半導体と絶縁体を積層した構造の電気的性質を取り上げています。半導体デバイスはこのような積層体で作られていますから、半導体デバイスの基本的特性を取り扱っていることには違いありません。

 しかし半導体デバイスにはこの基本特性以外の半導体の性質を利用したデバイスが多数あります。このようなデバイスに応用されている半導体の性質は多岐に及んでいて、ここではそれらを取り上げているわけではありません。

 例えば最後に取り上げた量子障壁の項で、トンネル現象に触れています。このトンネル現象を直接応用したデバイスとしてトンネルダイオードがあります。しかしここではこのトンネルダイオードの原理については取り上げていません。

 また量子井戸は発光ダイオードや半導体レーザに応用されていることに触れてはいるものの、このような発光デバイスの物理の理論的側面にもまったく触れていません。

 これらの半導体デバイスの物理については今後順次、個別に調べていきたいと思っています。