産業/標準化
5.認証制度
個々の製品が標準に適合しているかどうかはなかなか判別ができません。そこで、この製品は確かに標準に準拠していると認証する制度があります。
JISの場合をみると、認証がされるとJISマークを付けることが認められます。認証を行うのは国(主務大臣)が技術分野別に登録した登録認証機関です。認証を求める製造業者等がこの登録認証機関に申請を行うと、審査が行われ、認証の可否が決定されます。認証がされると該当する製品にJISマークを付けることが認められます。
JISマークの形状は3種類が産業標準化法で規定されています。図5-1は鉱工業製品に付けられるマークでもっとも一般的なものです。この他、加工技術用と環境など特殊な分野用があります。これらのマークの形状は2005年に新たに定められましたが、それより前に使われていたマーク(敢えて形は示しません)の方がいまだに認知度が高いかもしれません。これは近年、製品の品質の向上が著しく、このためJISマークの効用が減り、マークを付している製品を見る機会が減っているからかもしれません。
図5-1
なお、国や登録認証機関はJISマークが適正に運用されているかどうか、立ち入り検査を行うことが認められています。
一方、国際規格の認証はどうなっているでしょうか。 とくによく知られているのは品質マネジメントシステムの規格であるISO 9001に適合しているかどうかの認証制度です。
これを行うのは国内の認証機関です。認証機関は製造会社の工場などの組織単位で定められた基準を満たしているか、立ち入りを行って審査します。その結果、基準を満たしていれば、組織に対して認証証明書を発行し、一般に公開します。
国内の認証機関は複数(数10)あります。この認証機関自体はどういう資格で認められているかというと、この認証機関を認定する認定機関というものがあります。日本には日本適合性認定協会(JAB)と情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)という二つの認定機関があり、これらが国内の認証機関を認定しています。
この認定機関の資格も誰かが認定しなければなりませんが、世界標準には最高機関はありません。そこで認定機関は各国にある認定機関が相互に認証することになっています。