科学・基礎／量子化学

１０．まとめ

　有機分子の発光機構を知るため、分子の電子構造を解析する方法を説明しました。

　これには分子軌道法という近似法が有効ですが、計算するためにはコンピュータの力が必要です。コンピュータの能力が向上し、多くの分子の解析が可能になりました。ここでも紹介した通り、簡単な分子なら分子軌道の計算を行うことができます。

　この計算によって明らかになったことは分子の発光については半導体結晶の発光と似た考え方ができるということです。電流を流すことによる発光の場合、電極からの電子、正孔の注入からその再結合による発光まで半導体結晶の場合と同様な考え方が使えます。これが有機発光ダイオードの開発にも貢献したと考えられます。

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