光デバイス/受光素子

28.まとめ

 光エネルギーを電気エネルギーに変える受光素子はその反対の電気エネルギーを光エネルギーに変える発光素子に比べると地味な存在で、一般の人には目に着くことは少ないようです。、また近年は同じ光エネルギーを電気エネルギーに変える太陽電池はかなり生活の中に入り、市街地でも山間部などでも眼にすることが多くなってきました。これに比べてもここで取り上げた受光素子は目立ちません。

 しかし光から電気への光電変換は金属から電子を飛び出させる光電効果は知られていたものの、古くから半導体の光伝導が利用されていました。これは良質の半導体結晶でなくても光伝導は観測できるからですが、トランジスタの発明などより数十年も早く知られ使用されていました。光伝導スイッチなどだけでなく、撮像管のセンサー部分など、光の検知を必要とする場合に、半導体が使用されていたことは注目すべきです。

 そして近年になって、半導体結晶成長技術が進展し、接合の形成から超格子など薄膜構造の作製までが可能になったことから、受光感度や応答速度が目覚ましく向上しました。これにより例えば光通信分野では受信機の心臓部として用いられ、高速で雑音の少ない動作が可能な洗練された受光素子に発展しています。

今後、光電子増倍管を超えるところまで進化できるかはなかなか難しいところでしょうが、地道な特性改善は続けられていくと思われます。