産業/特許

2.特許を照会する<調査>

 中村氏の職務発明に関する裁判で争いの対象になった特許はというと、この裁判に関する新聞や雑誌などの記事から、特許第2628404号であることがわかります。以前はこの特許を例題として取り上げたのですが、ここではこの特許と対をなすような特許2540791号の方が例題としては適当と考え、以後、主としてこちらについて説明することにします。

 このように調べてみたい特許がはじめから特定されている場合、目的の特許を参照するにはどうしたらよいでしょうか。

 日本の特許を調べるのはなんといっても特許庁のデータベースが必須です。このデータベースにアクセスするには独立行政法人、工業所有権情報・研修館が運営している「特許情報プラットフォーム」(J-PlatPat)に行きます。なお、特許庁のホームページのトップページから「特許情報プラットフォーム」に飛ぶこともできます。  

 さて、特許情報プラットフォームから文献番号で探す機能を使って、さきの特許番号を照会します。照会手順は難しくないと思いますが、念のため下に手順を記しておきます。これは2020年現在のものですが、手順はこれまでにも変更されてきており、今後も変更され、以下の操作ができなくなることがあろうかと思いますので注意してください。

<番号照会の手順>(2020年現在)  特許情報プラットフォームトップページ上部の青いバーのなかの「特許・実用新案」にポインタを当てる(クリック不要)。 →プルダウンメニューのなかの「特許・実用新案番号照会/OPD」をクリック →表示される照会ページの選択肢(丸印)をつぎのようにクリックして選択する。 ・「検索対象」:文献 ・入力種別:番号入力 ・選択入力欄(3つ)  以下は右側チェック印またはその右の四角いマークをクリックすると多数の選択肢が現れますので、クリックして選択します。それらの意味は都度説明します。ここでは ・「発行国・地域/発行機関」:日本(JP) ・「番号種別」:特許番号(B)・特許発明明細書番号(C) ・「番号」:番号種別ごとに決まった形式があり、これも都度説明します。特許番号の場合は7桁の番号(半角入力)。4つまで入力可能。 →下の照会ボタンをクリック →これまでの照会ページの下に「検索結果一覧」が表形式で現れる。各欄の意味も都度説明します。ここでは照会した番号(登録番号の欄)をクリック。 「文献表示」のページが表示されます。

 上部左側に照会した番号が表示され、その下に表示形式の選択があり、テキスト表示がデフォルトで選ばれているはずです。この場合、下部左側にテキスト、右側に図面が表示されます。テキストは書誌、請求の範囲、詳細な説明、図面の簡単な説明、図面の順に並び、右側の開くをクリックすると開き、閉じるをクリックすると閉じるようになっています。右側の欄の図面は上部の番号で図番ごとに選択することができます。表示形式をPDF表示に変えると、公報を実物と同じ形式で見ることができます。この場合、公報1ページごとの表示になり、表示欄の上部下部にある前頁、後頁のクリックあるいは頁番号の入力によってページ送りをする必要があります。

 公報を保存することもできます。上部右側の選択ボタンの左から2番目の「文献単位PDF」をクリックし、継続をクリックするとキャプチャ認証の数字が表示されます。数字を読み取って下の欄に半角で入力し、OKをクリックします。右下に黄色い枠が現れますので、これをクリックするとPDF形式の公報が表示されます。これはスクロールによって全ページを表示させることができます。プリンタが接続されている環境ならば印刷が可能です。またご自分のPCのご希望のフォルダに文献を保存することができます。ファイル名はこの場合JPB 002540791-000000.pdfとなり、改めてファイル名を付けなくても何を保存したのかが容易にわかるようになっています。印刷とダウンロードの操作はPDFファイルの表示ソフトによって異なりますが、表示画面から行うことができるはずです。