光デバイス/半導体レーザ
8.半導体レーザ技術

 半導体レーザはいろいろな技術、知見を駆使することによってできています。そこでまずはどんな技術が使われているかをリストアップし、それらを順に説明していくことにしたいと思います。

(1)発光の原理  レーザの発光は誘導放出と言われる現象です。半導体レーザだけでなく、あらゆるレーザに共通の発光原理です。

(2)光学的要素

  <光共振器>  簡単に言えば鏡を向かい合わせたものですが、これもあらゆるレーザで使われています。   <光導波路>  光を狭いところに閉じこめて伝える技術です。半導体レーザだけに使われているとは言えませんが、半導体レーザでは基本的に重要な要素です。

(3)電気的要素  これはレーザのなかでは半導体レーザに固有の技術で、電子と正孔をどのようにコントロールして流すかという発光ダイオードでも使われている技術です。

(4)半導体材料  半導体レーザはたくさんの半導体結晶層を積み重ねて作られます。各層の材料は勝手に選べるわけではなく、半導体材料の性質によって選ばれます。

(5)レーザ光の性質  これは半導体レーザの要素ではなく、はたらきの結果ですが、どういう光が出てきているかを知らなくては、半導体レーザを改良することも応用することもできません。またこの性質をどのように計るのかという技術も重要です。

(6)信頼性の確保  どんなにすばらしいものができてもすぐ壊れてしまっては製品として使えません。半導体レーザは砂粒のように小さい半導体片に大きな電流を流すために長持ちさせる技術が重要で、信頼性を確保するために全体の構造が決まっているといっても言い過ぎではありません。

 このほか、個別の応用のための技術もありますが、半導体レーザ素子そのものに関わる技術はこんなものでしょうか。次項以降、これらを全部とはいきませんが、少しずつ説明していきます。

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